改造車が損傷した場合の修理費用・車両価格算定

自動車の中には、標準車以外にも、個人的な嗜好からドレスアップを行った車両や、業務上の必要から改造されたタクシー・霊柩車・冷凍車など、いわゆる改造車も含まれます。

改造車は、改造箇所のゆえに修理費用が高額になることも珍しくありません。

また、改造によって標準車より車両の価値が増減することもあるため、時価額を算定する際に争いが生じることもあります。

ここでは、交通事故によって改造車が損傷した場合の修理費用と、改造車の車両価格の算定について説明します。

自動車に高額の設備・装備を付加するのは基本的に所有者の自由であること等の理由から、メーカーが販売している標準車をベースとして、何からの装備ないし装飾設備等について改造を施している改造車の修理費用については、原則として、改造に関する修理費用についても交通事故の賠償の対象となるとされています。

ただし、いわゆる違法改造や、改造内容によって殊更に損害が拡大した場合には、修理費用の全額が賠償の対象とならない可能性があります。

改造車の価格算定については、原則として、標準車の車両価格にその改造費を含めて算定の基準としつつ、車両の取得時・改造時から時間が経過している等の事情を踏まえて価格を調整するという考え方が採用されています。

ただし、いわゆる違法改造を行っているような場合や、改造内容によって殊更に損害が拡大した場合には、修理費用の全額が賠償の対象とならない可能性があります。

改造車の車両価格の算定の方法について、中古車情報誌などの市場価格を参考にして算定することが困難な場合には、いわゆる減価償却の方法に基づいて、改造内容に応じた価格の減価状態を考慮して、車両価格の算定が行われることが多いです。

近年は多様な車両が存在しますので、車両の修理費用や車両価格の算定について争われるケースも増えています。

改造車のように、車両の修理費用や車両価格の算定が争われるケースは、交通事故への対応を得意とする当法人の弁護士にご相談ください。