過払い金
過払い金の請求でかかる期間
1 過払い金請求の流れ
過払い金返還を消費者金融業者に対して行う場合、一般的に①過去の取引履歴の取り寄せ、②取引履歴に基づく引き直し計算、③引き直し計算を踏まえた過払い金返還請求、④過払い金返還に関する消費者金融業者との交渉という順番で手続きが進んでいきます。
この④過払い金返還に関する消費者金融業者との交渉の結果、無事に示談がまとまれば、後は和解書を取り交わして過払い金の返還を待つだけとなります。
他方で、示談がまとまらなかった場合、裁判所での訴訟手続きをとおして、過払い金の回収を考えることとなります。
2 過払い金の請求にかかる時間
このような過払い金返還請求の各行程が、それぞれどのくらいの時間が必要なものかを以下に説明します。
まず、①過去の取引履歴の取り寄せには、一般的に1か月から2か月程度の時間を要することが多いです。
取引履歴の取り寄せにかかる時間は、消費者金融業者の対応によって区々です。
②取引履歴に基づく引き直し計算にかかる時間も、取引履歴の量によって区々ですが、概ね2週間前後の時間が必要になることが多いです。
③引き直し計算を踏まえた過払い金返還請求をして、④過払い金返還に関する消費者金融業者との交渉をするのに必要となる時間は、概ね2~3か月程度が多いですが、交渉の内容次第で、もっと短く終わる場合もあれば、もっと長くかかる場合もあります。
示談交渉の結果、無事に和解が成立した場合、和解成立から過払い金を実際に支払ってもらうまでの期間は、示談交渉の中で交渉によって決まります。
消費者金融業者は、返還金額を多くする場合には支払い時期を遅くするなどの方法で、こちら側の譲歩を引き出そうとしてきます。
そのため、裁判に踏み切った場合にかかる時間と、示談の場合の回収金額、示談に基づく過払い金の支払い時期などの事情を総合的に考慮して、もっとも、納得のいく条件を模索して和解を結び、和解で定めた期間は、過払い金返還請求を待つこととなります。
示談交渉で消費者金融業者側の提案してくる、返還額や支払い時期に納得がいかない場合には、裁判所への訴訟提起を行います。
訴訟に必要となる時間も、ケースバイケースの要素が大きいですが大まかな目安としては、半年から1年程度の期間を要することが多いです。