障害年金と老齢年金の併給
1 一人一年金の原則
障害年金と老齢年金は、原則として同時に受給することができません。
年金の法制度では「一人一年金の原則」が設けられており、ある老齢を理由にする年金を受給するのであれば、障害を理由とする年金の受給はできないことになっています。
2 異なる年金制度の併給の場合
ただし、年金制度は、しばしば2階建てと例えられるように、国民年金に厚生年金が上乗せされる仕組みとなっています。
したがって、障害基礎年金と障害厚生年金を併給することは可能です。
国民年金法に基づく障害基礎年金は障害等級1級、2級から、厚生年金保険法に基づく障害厚生年金は障害等級1級、2級、3級で受給することができます。
そのため、障害等級2級以上の重い等級に該当する方で、厚生年金に加入されている時期に初診日がある方は、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給することが可能です。
このように、年金制度が国民年金と厚生年金のように異なる場合には、年金を併給することができます。
そして、このように異なる年金制度を利用して年金を併給する場合には、老齢を理由とした年金と、障害を理由とした年金の両方が支給されることがありえます。
ただし、併給にあたって選択可能な組み合わせは決まっていて、国民年金から障害基礎年金を受給し、厚生年金から老齢厚生年金を受給するといった組み合わせが可能となっています。
3 障害年金に関するご不明点は弁護士にご相談ください
年金には、国民年金や厚生年金などの複数の年金制度が存在し、それぞれの年金制度のなかに、老齢を理由とする年金もあれば、障害を理由とする年金もあります。
そして、それらをどのように組み合わせれば受給できるかについても、制度上の様々な制限があり、複雑なものとなっています。
老齢年金の受給資格を手に入れるのが目前に迫ったご年齢の方にとって、障害年金の申請をすることにどれだけのメリットがあるのかということは、これらの選択や併給の仕組みを理解していないと適切に評価することができません。
障害年金に関してご不明な点がございましたら、一度、当法人までご相談ください。