高次脳機能障害で本人が示談交渉できない場合の対応
1 成年後見制度を利用する
通常、交通事故の示談交渉は被害者本人で行いますが、被害者が高次脳機能障害を負ってしまった場合には、認知能力等の低下により交渉を行うことができません。
では、どのようにして相手方保険会社と示談交渉を行うことになるのでしょうか。
方法としては、成年後見制度を利用するということが考えられます。
成年後見制度とは、認知症などによって判断能力が低下・欠けている状態が常に生じている方について、家庭裁判所が成年後見人を選任し、その方を保護する制度です。
保護の方法としては、その方に代わって財産の管理を行ったり、契約などの法律行為を行ったりすることになります。
そのため、交通事故によって高次脳機能障害を負ってしまった場合、成年後見制度を利用して被害者に代わって成年後見人が示談交渉を行うことになります。
2 弁護士を成年後見人に選任する
成年後見人には、被害者の親族が選任されることもありますが、弁護士を選任することもできます。
特に高次脳機能障害を負ってしまった場合には、慰謝料や将来介護費等で賠償金額が非常に高額になるケースが多いです。
適切な賠償金を獲得するためには、まず、高次脳機能障害としての後遺障害認定を受ける必要があります。
高次脳機能障害での後遺障害申請の際には、むち打ち症状や骨折の場合と異なる検査や書類が必要となります。
また、高次脳機能障害が後遺障害として認定された後は、相手方保険会社と交渉を行う必要があります。
獲得した後遺障害等級に応じて請求可能な慰謝料や将来介護費の金額も変わってきます。
相手方保険会社もできるだけ金額を抑えようと交渉を行ってきますので、過去の裁判例等を踏まえて慰謝料等の主張を行う必要があります。
本人に高次脳機能障害の自覚がない場合に注意すること むちうちで弁護士をお探しの方へ