Q&A
生活保護を受けていても自己破産できますか?
1 生活保護を受けていても自己破産はできる
結論として、生活保護を受けている方でも自己破産をすることは可能です。
自己破産を開始するための要件は、支払い不能状態にあることであるため、生活保護を受けている状況であれば、むしろ、支払い不能状態にあると認められやすく、自己破産も認められやすいとさえいえます。
2 費用を用意することが難しい可能性がある
自己破産を実際に行おうと思った場合に、生活保護を受けていることで、自己破産が進めにくくなることもあります。
それは、弁護士費用等の費用を用意することができない場合です。
自己破産を弁護士に依頼する場合には、数十万という単位の弁護士費用を用意しなければならないことが少なくありません。
生活保護を受けている場合には、生活保護費から弁護士費用を支払おうとすると、健康で文化的な最低限度の生活を保障するという生活保護費の趣旨から、弁護士費用を支払う余裕があるのであれば生活保護費の支給は必要ないと判断されてしまい、生活保護を打ち切られないかといった心配が生じることになります。
その結果、生活保護を受けていると、自己破産に必要な費用を用意できず、自己破産の申し立てをすることができないという場合があります。
また、破産管財事件となる場合には、弁護士費用だけでなく、破産管財費用として20万円以上といったまとまった金額を、裁判所に予納しなければならなくなります。
これらの費用の捻出に、行き詰まることが懸念されます。
3 法テラスの利用
ただし、生活保護を受給している場合、法テラスによる援助を受けられる可能性が高いといえます。
また、法テラスの援助を受ける場合、弁護士費用の立て替えを受けると原則として速やかに分割して償還がはじまりますが、生活保護受給中の方は償還猶予の対象となります。
また、破産管財費用についても、20万円まで法テラスから援助を受けることができます。
一般的に、自己破産の手続きが完了した段階で、生活保護受給中であれば、法テラスへの費用償還義務は免除されます。
このような点で、生活保護受給中の方は、自己破産の申立がしやすい状況にあるといえます。
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