Q&A
ギャンブルによる借金なのですが、自己破産できますか?
1 自己破産と免責許可の関係
ギャンブルによる借金でも自己破産をできるかという問題について考えるうえで、最初に、自己破産手続きと免責許可の手続きの区別について確認しておく必要があります。
破産法15条1項に「債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。」と記載されているように、債務者が借金の返済をできない状況にあると認められれば、必要な手続き費用を収められない場合や、濫用的な意図で申し立てがなされた場合など申立が不誠実と認められる場合のような例外を除いて、自己破産をすることは認められます。
ギャンブルによって借金ができてしまった場合でも、それだけで自己破産の申し立てが不誠実と直ちに認められるわけではありませんので、自己破産をすることは可能です。
ただし、一般的に、自己破産ができるかどうかを債務者の方にとって重要なのは、自己破産した結果、借金が免除されるかどうかです。
法的には、自己破産をしただけでは、借金は免除されません。
自己破産後に行われる免責許可の手続きで、裁判所に免責許可が認められて、初めて借金の返済義務から解放されることになります。
2 ギャンブルと免責許可の関係について
そして、ギャンブルによる借金については、破産法252条1項4号で「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。」が免責不許可事由とされていることから、自己破産をしても借金の免除が認められない可能性があります。
ただし、ギャンブルによって借金をした場合でも、その当時の収入に対してギャンブルによる支出が比較的少額であり、借金全体に占める比重が少なく、自己破産をすることになった原因にギャンブルがあまり影響を与えていないような場合には、免責不許可事由とされない可能性もございます。
ギャンブルによる借金が、借金全体に占める割合が大きく、ギャンブルをしていなければ自己破産をせずに済んだだろうと判断される場合には、免責不許可事由ありと判断されることになりますが、その場合でも、裁判所の裁量により免責が認められる場合もございます。
破産管財人への説明義務等も含めて、実務上慎重な検討が求められる部分です。
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