Q&A
医療ローンを組んでいるのですが自己破産できますか?
1 そもそも医療ローンとは何か
たとえば、美容整形外科や、歯の治療などには、健康保険が適用されず、全額自己負担になるものがあります。
しかし、全額を一括で支払うのが難しい場合、医療ローンを組んで、医療費を分割払いするという契約の方法があり、一括支払いよりも一般的といえるかもしれません。
イメージでは、クレジットカードで家電などを買って、分割払いをする時と同じように、医療費の分割払いをするようなものです。
2 医療ローンも自己破産の対象なのか
自己破産は、裁判所をとおして、原則として全ての負債をゼロにすることを目的とした手続きです。
原則という以上は、例外もあり、たとえば税金や養育費など、一定の負債は、自己破産をしても、返済義務を免れることはできません。
しかし、医療ローンは、これらの例外には該当しませんので、自己破産の対象になります。
つまり、医療ローンも、基本的には、自己破産によって、返済義務を免れることができます。
3 医療ローンが原因で、自己破産が認められない場合も
自己破産をすると、最後は免責決定というものを受けることになり、この免責決定によって、負債の返済義務がなくなります。
しかし、法律上、「こういったケースでは、免責を認めません」という事項があります。
その1つに、浪費というものがあげられます。
つまり、収入に見合わないようなお金の使い方をした場合、免責を受けることができないのです。
医療ローンの多くは、美容整形など、健康上どうしても行わなければならないとは言えない治療のために行われることが多いため、金額によっては、浪費と判断されてしまう場合があります。
4 浪費に該当しても、諦める必要はない
裁判所が、医療ローンを浪費と考えたとしても、ただちに免責が認められないわけではありません。
裁判所は、免責不許可事由があっても、裁量によって、免責をすることが認められています。
実際に、免責不許可事由に該当するケースであっても、その多くは、裁量による免責が認められています。
そのため、収入に見合わない医療ローンを組んだ場合であっても、あきらめず専門家にご相談ください。
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