Q&A
自己破産をしたら、海外旅行に行けなくなりますか?
1 自己破産をしても海外旅行は制限されません
自己破産歴があるからといって、パスポートが失効したり、海外に出ることが禁止されたりするわけではありませんので、自己破産歴があるかたでも、海外旅行に行くことは可能です。
ただし、自己破産歴がある場合には、信用情報がきずついていることになりますので、海外旅行のために必要なお金を消費者金融会社から借りたり、飛行機のチケットをクレジットカードを利用して購入したりということはできなくなるという事実上の制約は発生してしまいます。
そのため、事前に収入の範囲で貯金をして、貯金から費用を捻出して海外旅行に行く必要があります。
2 自己破産手続き中の場合
なお、自己破産の手続きが終わった方については、上で述べたとおり、海外旅行に行くことに制限はありませんが、自己破産の手続きが現に裁判所で行われている間に海外旅行に行きたいと考えている場合には、話がかわってきます。
裁判所に破産手続きが係属している間は、住所地をはなれて遠方への出張や旅行に行く場合には、裁判所の事前許可が必要となります。
そのため、海外旅行に行くのにも、裁判所の許可を得なければなりません。
3 破産手続き申立前の海外旅行について
他方で、破産手続きが裁判所に係属する前の、申立準備期間中に海外旅行に行く場合には、裁判所の許可を得る必要はございません。
ただし、一般的に海外旅行に行くことは、高額な出費を伴う遊興とみなされる恐れがあります。
そのため、海外旅行に行った後に、破産手続きを申し立てた場合には、海外旅行にお金を割いたことが、裁判所や破産管財人から、浪費による不適切な財産の流失とみなされてしまう恐れがあります。
海外出張など仕事でやむを得ない理由がある場合や、海外旅行とはいっても、親族が海外に住んでいて、その親族の冠婚葬祭に参加するために海外に行く場合などのように、海外旅行に行くことが裁判所からみてもやむを得ないことと評価してもらえる場合で、必要最小限の範囲に出費を抑えることができるときでなければ、破産手続き申立前の海外旅行は避けておいた方が無難であると考えます。
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